親が電話に出ない時、心配すべきタイミングと対処法
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いつものように実家に電話をかけた。でも、出ない。
もう一度かけ直す。それでも出ない。
そんな数分だけで、心臓がざわつく経験、ありませんか。
在宅の現場で高齢者の方々の施術に携わってきました。それでも、自分の親のこととなると話は別です。
両親に電話をかけて出なかった時、「また買い物にでも行ってるんだろう」と頭では分かってても、胸の奥がざわつく感覚には、何度経験しても慣れません。
先に言っておくと、電話に出ないからってすぐ緊急事態というわけじゃありません。ただ「様子を見ていい時」と「動くべき時」を分ける判断基準を持っておくと、いざという時に無駄なパニックを避けられます。
今回は、その見極め方と実際に取るべき行動を、現場での経験も交えて書いていきます。
出ない理由のほとんどは、実は「よくあること」
電話に出ない理由の大半は、深刻なものじゃありません。一般論じゃなく、うちの実家でも日常的に起きてることです。
スマホを持ち歩かない人は多いです。充電器の近くやリビングに置いたまま、別の部屋や庭に出てしまう。ひどい時は気づかないうちに充電が切れていて、電源すら入ってないこともあります。
通知音の設定が小さかったり、加齢で聴力が変化していて、鳴ってても気づかないこともよくあります。
固定電話にいたっては、そもそも出ないという家庭も珍しくありません。
詐欺電話があまりに多いせいで「知らない番号には出ない」が習慣になり、結果として家族からの電話まで一緒に無視されてしまう。留守番電話が入ってること自体に気づかず、何日も再生されないまま放置されてるケースもあります。
こういうことが重なって、「電話に出ない」「留守電を残しても反応がない」という状況は、うちでも割とよくあります。
最初はそのたびに心配してましたが、パターンが分かってくると、「今のは単に気づいてないだけだな」と判断できる場面と、「これは様子がおかしいかもしれない」という場面を、少しずつ見分けられるようになってきました。
固定電話に関しては、皮肉な話です。本来は「もしもの時につながる手段」のはずが、防犯対策を徹底した結果、肝心の家族からの連絡すら届きにくくなってる。そういうご家庭を、実際に何軒も見てきました。
こうした「連絡が取れない」問題の根っこには、世代間のデジタル格差もあると感じています。90歳を超えてもスマホを使いこなす方がいる一方で、いまだにガラケーを手放せない方もいる。
「レストランのタブレット注文が分からなくて、外食自体をやめてしまった」という話を聞いたこともあります。これはまた別の記事で書いてみたいテーマです。
すぐに動くべきサインの見極め方
とはいえ、すべてを「気のせい」で片付けるわけにはいきません。次のような状況が重なる場合は、注意して動いた方がいいです。
普段は数コールで出る親が、何度かけても全く出ない。いつものパターンと違うこと自体が、重要な情報です。
LINEなどのメッセージも既読にならない場合、電話だけでなく複数の連絡手段で反応がないということなので、単なる聞き逃しじゃない可能性が上がります。
前日や前々日の会話で体調不良を訴えてたなら、その流れも踏まえて優先的に確認した方がいいでしょう。
散歩やテレビなど、決まった時間の習慣からずれてる場合も、普段の生活リズムを知ってればこそ気づけるサインです。
ひとつだけの兆候なら様子見で構いません。でもいくつか重なってる時は、次の行動に移った方が安心です。
電話がつながらない時、実際に取るべき行動
最初の数分は、慌てず時間を置いてもう一度かけ直してみてください。買い物やトイレ、来客対応など、単純に手が離せなかっただけということはよくあります。
それでも出ない場合は、近くに住む親族や、事前に関係を作っておいたご近所の方に様子を見てきてもらえないか相談します。
以前の記事(「2人で1人分」で暮らす80代の両親。倒れる前に知っておきたい3つの備え)でも触れましたが、民生委員や地域包括支援センターとつながりがあれば、この段階で頼れる相談先になります。
近くに頼れる人がおらず、電話も一切つながらない状況が続くようなら、最寄りの警察署や交番に安否確認を依頼することもできます。
緊急性が高いと感じるなら110番。そこまでじゃないけど心配という場合は、警察相談専用電話(#9110)や最寄りの交番に相談してみてください。
判断に迷うのが体調面なら、#7119(救急安心センター)という選択肢もあります。看護師や医師に電話で相談できて、救急車を呼ぶべきか判断してもらえます。ただ全国一律じゃなく、導入してない地域もあるので、実家の自治体で使えるか一度調べておくといいです。
「大げさかもしれない」とためらう方も多いですが、事情を話せば丁寧に対応してもらえます。ご近所の目を気にして躊躇する必要はありません。
いざという時に慌てないための日頃の備え
合鍵を近所の信頼できる人や親族に預けておくと、いざという時に鍵がなくて時間を失う、という事態を避けられます。
とはいえ、マンション住まいだと、隣近所との付き合いが薄くて、気軽に合鍵を預けられる相手がいないというご家庭も多いはずです。
そういう場合は、玄関先に取り付けるダイヤル式のキーボックスが選択肢になります。(最近はスマホと連動してるタイプもありますが、実際に見た中では、ダイアル式のアナログなタイプの方が価格も手頃で扱いやすい印象でした。)
暗証番号さえ分かれば誰でも開けられるので、いざという時はその番号をマンションの管理人さんや警察に伝えることで、合鍵を預ける相手がいなくても中に入ってもらえます。
管理人さんが常駐してるマンションなら、事前に一言相談しておくとより安心です。
以前の記事で紹介した、カメラを使わないセンサー型や通信家電型の見守りサービスも、こうした「連絡が取れない不安」を根本から減らす手段の一つです。自治体によっては、一人暮らしの高齢者向けに緊急通報装置を無料や低額で貸し出してるところもあるので、実家の自治体のホームページも一度見ておくといいかもしれません。
毎日でなくても、「週に1回、日曜の夜に電話する」というように連絡のタイミングを決めておくと、いつもと違う反応にも気づきやすくなります。
親からの応答がないというだけで頭が真っ白になる感覚は、何度も味わってきました。
でも、慌てて動く前に「本当に動くべきサインかどうか」を一呼吸置いて判断できるようになると、無駄な不安に振り回されずに済みます。まずは実家の連絡手段を整理して、頼れる先を一つ決めておくことから始めてみてください。


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