在宅専門の鍼灸マッサージをやっていて、毎日たくさんの高齢者やご家族と接してます。で、実はこれ、他人事じゃないんです。うちの両親、80代なのに介護認定も受けずに二人で暮らしてます。
現場は人一倍見てきたはずなのに、自分の親のこととなると「まだ大丈夫だろう」が先に来る。正直、そんなもんです。
離れて暮らす親を持つ40代・50代の人って、大体「何かあってから」しか動けません。情報にたどり着く前に、日々が過ぎていく。
仕事では責任ある立場を任されて、家には手のかかる子どもがいる。自分の家庭で精一杯で、親の将来まで手が回らない。全然、恥ずかしいことじゃないです。
だから、何も起きていない今のうちに。少しずつでいい。ずっとそう感じてきました。
仕事を休んで駆けずり回る程度で済めば、まだマシな方かもしれません。準備不足のまま介護が来て、仕事そのものを辞めることになる人もいます。
厚労省の調査でも、「介護・看護」を理由に離職する人は毎年9万人前後で推移しています。
親が元気なうち、それが一番いいタイミングです。
理由はシンプルで、倒れてから申請しても、実際サービスを使えるまで数週間〜1ヶ月かかるから。慌てても、初動のパニックは防げません。現場で何度も見てきました。
(ちなみに、急ぎの場合はケアマネに相談すれば「暫定ケアプラン」で認定が出る前からサービスを使い始められることもあります。ただし後で費用が変わることもあるので、あくまで緊急時の選択肢として。)
忙しい毎日でも無理なく始められる準備を、6つ挙げます。私もまだ全部できてません。少しずつです。
1. 地域包括支援センターの番号をスマホに入れておく
高齢者の介護・医療・福祉の相談を無料で受けてくれる、自治体の窓口です。
担当エリアはネットですぐ調べられます。でも親が倒れた時に検索する時間すら惜しい。番号を連絡先に入れておくだけで、だいぶ違います。
私も親の地域を管轄するセンターの番号、この間やっと入れました。調べる手間を先に消しておく。それだけです。
2. 親の医療・服薬情報を一箇所にまとめる
かかりつけ医、服用中の薬、過去の病歴。
救急搬送や問診で必ず聞かれます。離れてると把握できてなくて、実家でお薬手帳をガサガサ探すことになる。
現場でも、ご家族がこれを把握してなくて初動が遅れる場面、何度も見てきました。帰省したときにお薬手帳と診察券をスマホで撮っておく。それだけで全然違います。
3. 「介護認定」の大まかな流れだけ知っておく
細かい制度は今覚えなくていいです。ざっくりでいい。
65歳から申請可能(40〜64歳でも特定の病気があれば対象になります)。結果が出るまで約1ヶ月。認定調査には家族の立ち会いが推奨されます。
「倒れたら翌日からヘルパーさんが来る」と思ってる人、多いんですが、現実はタイムラグがある。1ヶ月の空白があるって知ってるだけで、心構えが変わります。
4. 兄弟姉妹と「もしも」の連絡ルールを話しておく
介護が本格化してからお金や分担の話をすると、大体もめます。お盆や正月に集まったとき、軽く話しておく。
誰が窓口になるか。実家の鍵や通帳の場所。お互いどこまで動けそうか。
兄弟姉妹がいても、お互いに子どものいる家庭を抱えていれば、片方に全部任せるわけにはいきません。まだ話し合いの途中です。こういう話は先延ばしにするほど切り出しにくくなる。誰がどこまで動けるか、先に共有しておくだけで、後の不公平感はだいぶ減ります。
5. 親に「エンディングノート」を書いてもらう
医療・介護の希望や、資産・連絡先を書き留めておくノートです。
法的効力はありません。でも延命治療についてどう考えてるか、もしもの時に誰に連絡してほしいか。家族だけじゃ判断に迷う意思を残せる。ここに価値があります。
いきなり「書いて」と渡すと、「縁起でもない」「まだボケてない」って拒絶されがちです。
「何かあった時に困らせたくないから、分かるところだけでも」と、自分のために書いてほしいと伝える。書店や自治体で無料配布してるもので十分です。
6. 頼れる外部サービスを1つでも知っておく
親の介護、家族の犠牲や根性で抱え込む必要はありません。地域包括支援センター、自治体の相談窓口、民間の見守りサービス。選択肢は増える一方です。
介護認定の手前で一番困るのは、離れてるせいで親の衰えや異変に気づけないこと。
電気の使用状況で安否確認するサービスや、スマホ操作不要のテレビ型見守りなど、プライバシーを侵害せずに見守れる仕組みも増えました。
「介護保険を使うほどじゃないけど、ちょっと心配」。その段階で一つ知っておくだけで、漠然とした不安はだいぶ和らぎます。
地域包括支援センターの番号を登録。お薬手帳と診察券を写真で保存。認定まで約1ヶ月かかると知っておく。兄弟姉妹と連絡ルールを共有。エンディングノートを用意。見守りサービスを一つ知っておく。
親が倒れてパニックの中で調べるのと、今15分で準備しておくのとでは、後の負担がまるで違います。
まずはスマホで、親の地域の地域包括支援センターを検索してみてください。私も、今日それをやりました。

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